ブルブル…。

斗侑真の携帯がマナーモードになっていた。

斗侑真はため息と共に携帯を見つめてる。

「斗侑真…?…出ないの?」


「あぁ.今日1日鳴りっぱなしなんだ。でも出たら切れる。」


「……誰からなの?心当たりは?」


安心したのもつかの間だった…。


「非通知で掛けてきてるからわからないけど…。
あの女だと思う。篠崎…。
昨日.後輩が篠崎に偶然会って俺の事聞いてきたから婚約した事話したって…。」


篠崎…!!

私の体が震え出した。
あの日の恐怖が甦ってくる。

あの人は普通じゃない。


「楓…大丈夫だから。
今度は絶対に俺がお前を
守るから…安心しろ。」


「あの人は普通じゃない…。
普通じゃないから何をしてくるかわからないんだよ!!
もし斗侑真に何かあったら私…どうしたらいいの!!」


私達がやっと掴んだ幸せを脅かす存在…。恐い…。


「楓.落ち着け!!俺は大丈夫だ。
俺の事より楓の事が心配なんだ。
あの女は本当に何をするかわからない…。
とにかく明日は俺が楓を送り迎えするから…。
俺が居ない時は絶対に一人になるなよ。
必ず誰かと一緒に居ろ。
一応.三浦には俺からも連絡しておくから。」


「うん…。」