次の日の午前中に実家に向かった。


「ただいま…。」

「こんにちは。」


二人で玄関に入るとお母さんと真実さんが出迎えてくれた。


「いらっしゃい…。
緒方さん.お久しぶりです。
お元気でしたか?」


お母さんが一番に斗侑真に声を掛けてくれる。


私はその事が何よりも嬉しかったんだ。


「はい。長い間ご無沙汰して申し訳ありませんでした。」


「いいえ.こちらこそ。
さぁ.どうぞ。」


「緒方さん…将人が待ってます。
話しを聞いてやって下さい。
楓ちゃんも久しぶりでしょ。さぁ
早く中に入って!!」


真実さんに急かされて斗侑真と
二人で半年ぶりの実家に足を踏み入れた。


リビングに入るとソファーの前で
お兄ちゃんが立って迎えてくれる。


「お兄ちゃん…ただいま。」


「お帰り。…緒方さん今日はわざわざすみません。」


「いえ…。僕の方からも.もう一度
お話ししたいと思っていたので。」


お兄ちゃんは少し前と違っていた。


お兄ちゃんごめんね。…私はもし又お兄ちゃんが反対するなら…この家を捨てても斗侑真に付いて行くって決めてるんだ。


私にとって今は斗侑真が誰よりも
大切な人だから…。