真夜中…私は寝むれずに居た。


考えるのはお兄ちゃんの事。


この半年でお兄ちゃんの気持ちが
変わったとは思えない。


もし変わったのだとしたら何があったんだろ?


あれだけ反対していたお兄ちゃん
が斗侑真と話しただけで帰って行った。


私のマンションの前に斗侑真が
居た事で私達が戻った事は分かったはずなのに…。


「ハァ…ッ。」


私のため息に私を抱きしめながら
眠っていた斗侑真が目を覚ます。


「どうした?寝れないのか?」


私の前髪をかきあげながら斗侑真が言った。


「ごめん…。起こしちゃったね。
なんかね…怖いの…。」


「楓.俺を信じろ。
もう俺達は絶対に離れないから。
楓…一つ聞お前に聞いておきたい事があるんだ。
本当はこんな事はあってはいけない事だし.またお前に辛い思いをさせてしまうのも分かってる…。
でも…俺はお前を二度と離すつもりは無い。
だから.もし…将人君がまだ反対するなら俺は観月の家からお前を奪う。楓はそれでも構わない?俺に付いて来てくれるか?」


斗侑真の真剣な目に吸い込まれそうになる。


構わない…。私は斗侑真に付いて行く。