食事を済ました後…斗侑真の車が私のマンションの前で止まった。


「俺…情けねぇよな。
もう一日もお前と離れられなくなってる…。
慌てなくていいから…着替え何日かまとめて取って来い。」


私は大きく頷く。


部屋に戻って旅行カバンに着替えを詰める…。


早く一緒に住みたい。


すぐにでもマンションの解約の手続きをしよう…。


準備が出来て降りるといつもと
違う様子の斗侑真が居た。


いつものポーズでは無く斗侑真の
視線は違う方向を見ている。


その視線の先を辿ると懐かしい背中が見えた。


「お兄ちゃん…!?」


斗侑真が見送っているあの背中は
間違いなくお兄ちゃんだ…。


慌てて斗侑真の元に掛け寄る。


「斗侑真!!さっきのお兄ちゃんでしょ!?何か嫌な事.言われなかった?ねぇ!?」


「楓…何.慌ててんだよ?大丈夫だよ。(笑)」


「本当に!?無理しないで…。」


私の頭の中に半年前のお兄ちゃんの顔が浮かんだ…。


斗侑真を傷付けたお兄ちゃんの言葉の数々…許せなかった。