お母さんの真剣な顔に今までとは違う強さを感じる。


いつもは優しいお母さん。
いつも私の事を心配してくれている。


斗侑真の事だってお父さんの事を知ってて賛成してくれていた。


「わかった。緒方主任に聞いてまた連絡する。」


「必ずよ…。じゃ…この話しはこれで終わり!!
ねぇ?お母さん変じゃない?」


「えっ?」


「気付かないの!?着物よ!!真実ちゃんに聞いたら綺麗だって
言ってくれるんだけど…。本当に変じゃない?」


「うん。似合ってる!!綺麗だよ!!」


本当に綺麗だと思う。
モスグリーンの着物を上品に着こなしていて白髪の無い黒髪をまとめてアップにしていた…。


ずっと苦労してきたお母さん。
本当はお母さんにもお兄ちゃん
にもちゃんと祝福されて斗侑真の
元に行きたかった…。私の花嫁姿
をお母さんに見せてあげたかった…。


「そう?…楓もそう言ってくれるならもう気にしない事にするわ!!あっ.もうこんな時間!!じゃあね!!仕事頑張るのよ!!」


「う.うん!!」


お母さんが慌ただしく駆けて行った…。


子供みたい…。(笑)