斗侑真と別れてからの私は毎日の
様に家に来てくれるお母さんを疎ましく感じていた。


「楓…食事まだでしょ…?」


「………。」


「何か食べたい物ある?」


「………。」


「……楓…ちゃんと食べないとダメよ。」


「お願いだから一人にしてよ!!
私が側に居て欲しいのは斗侑真
だけなの!!斗侑真が居ないなら
私は生きてても意味が無いの…!!
死んでまた別の人間に産まれ変わ
って斗侑真ともう一度会いたい!!
もうほっといてよ!!」

「楓…。」


その時のお母さんの絶句と悲しみ
いっぱいの顔を見て自分の言って
しまった事を悔やんだ。


酷い事を言った私にお母さんは
「ごめんね。」そう言って部屋から
出て行った…。


追い掛けて謝る事も出来ずにただ
後悔だけが残った。


次の日…お母さんが何も無かった
かの様にまた私の家に来た。


「また来ちゃった…。」


そう言って笑ったお母さんの優しさが私を素直にさせる。


「お母さん昨日はごめんね。」


そんな私にお母さんはただ首を横
に振って笑っただけだった。