私は扉にもたれ声を押し殺して泣いた…。


我慢していた涙が一気に溢れ出す。


もう二度とこの部屋に来る事は無いだろう。


斗侑真との思い出がたくさん詰まった部屋。


私達の愛の巣になるはずだったのに…。


そんな些細な夢さえも叶わなかった。


あれ程何度も愛し合ったのに…。


何度も何度も愛を誓ったのに…。


どうして…こんな事になってしまったんだろう…。


「辛い…。」


斗侑真の言葉が頭をよぎる。


辛い思いはもう斗侑真にはして欲しくなかった。


お父さんの事で嫌と言う程辛いめに遭って来た斗侑真にはこれ以上…。


解放してあげよう…。


私と居る事でいつまで嫌な事を思い出させてしまうのなら…。


私が斗侑真の為に出来る事…。


それは別れを選ぶ事…。


私にとって人生の中で一番辛い選択だった…。


と…同時に私の中で全てが終わった瞬間だった。


もう誰も愛せない。。


もう二度と恋なんてしない。