また長い沈黙…。


時計の針の音だけがこの沈黙の間
もリズム良く時を刻んで行く…。


「辛い…。」

斗侑真の言葉が私の頭の中でリピートしてる。


長い沈黙と重々しい空気を破った
のは私の方からだった。


スッ…っと立ち上がり私は斗侑真が
座っているソファーの前のテーブルにカードキーを置いた。


斗侑真がそれを見て今日初めて
私の顔を見てくれた。


「楓…。」


「最後の最後で見ないでよ。(笑)
斗侑真…私は今も愛してるよ…。
これからもずっと。でもさよなら
なんだよね。今までたくさんの幸せありがとう。」


私は斗侑真に背中を向けてリビングを出る。


「楓…!!」


斗侑真の呼び掛けにも私は振り向かない…。絶対に振り向かない…。


今.振り返ったらまた斗侑真を悲しませてしまう。


「楓!!…やっぱり俺…」


斗侑真が追い掛けて来て何かを言い掛けていた。


‐バタン‐


私は静かに玄関の扉を閉めた…。