次の日の夜.勇気を出して斗侑真
のマンションを尋ねた。


マンションの前で斗侑真に電話を掛ける。


出ない…。


駐車場を覗くと斗侑真の車が止まっていた。


家に居るんだ…。


玄関の前まで来てメールを打った。


「今.玄関の前まで来ています。少し出て来て頂けませんか。」


メールを打った後で私は気付く。


今まで通りカードキーを使って勝手に入ればいい事。


なのに…私はそれが出来なくなっていた。


目に見えない私達の大きな溝…。


溝を埋める事はもう不可能なのだろうか?


そんな不安を抱えながらずっと待った。


斗侑真は私に会いたくないんだ…。


これ以上待っても自分が惨めになるだけ…。


諦めかけたその時…。


玄関の扉が開いた…。


少しやつれた斗侑真の姿を見て涙が出そうになる。


いつもなら会うとすぐに私を抱き
しめてくれるのに…。


何度もキスをしてくれるのに…。


私に触れるどころか目もあわせてくれない。