◆◆◆◆                      俺の中で全ての事が音を立てて崩れていく。


また…あいつのせいで俺は一生抜け出せない程の暗闇へと迷い込んで行く…。


こんなに広い世界で…。


たくさんの人が居るこの世の中で
どうして…楓のお父さんだったんだろう…。


絶対に楓だけは離さない…。


そう思っていたのに俺がそう思えば思う程.楓を苦しめる。


一緒に居ると俺の影に楓は自分の
お父さんの事を思い出すだろう…。


「好きだから別れる。」

そんな言葉なんて綺麗事だと笑っていた自分を思い出す。


でも…今はその言葉の意味が俺には痛い程良く分かる…。


ずっと人を信じれなかった俺を
変えてくれた楓…。


閉ざされていた俺の心の扉を開けてくれた楓…。


今日の楓の言葉を思い出す。


こんな俺に一緒に帰ろうと言ってくれた楓…。


その言葉だけで充分だった。