「僕の両親は僕が小学校の時に離婚しています。
父親と言うのは名ばかりで僕は
一度もその人に父親らしい事を
してもらった事がありませんでした。」


シーンとした中の斗侑真の話しとお母さんの息を呑む音がやけに大きく聞こえた。


「そんな父親が僕が中学に入って
すぐの頃に突然真っ青な顔をして
家に来たんです。父親は…」


「緒方さん!!…もういいじゃありませんか…。」


突然お母さんが斗侑真の話しを遮った。


「えっ…?」


斗侑真が驚いた顔でお母さんを見た。


私達もさっきまでとは明らかに違うお母さんの様子に戸惑う。


「お母さん.どうしたの?」


私が聞くとお母さんは斗侑真に話し掛けた。


「緒方さん…貴方が苦しむ事は無いんですよ。
貴方は瞳さんそっくりね。」


「どうして…。どうして母の事をご存知なんですか?」


斗侑真が困惑の表情を浮かべて
ゆっくりとお母さんに聞いた…。


瞳さん…?斗侑真のお母さんの事をどうして…?


私達にもお母さんの話してる意味がわからない。