電話が鳴る…。


電話に出ると同時に浴びせられる心ない中傷。


「お前の親父は人殺しだ!!」


「人を殺しといて自分達が幸せになれると思うな!!」


「人殺しの子供!!」


なんで…こんな時だけ親父なんだよ…。


とっくに別れてるじゃねぇか!!


俺は心の中で何度も呟いた。


お袋はみるみる内に痩せていき
突然.夜中に起きて泣き出したり
台所に立つて包丁を握っていた時
もあった…。


すべて.あいつのせいだ。


誰も俺達の周りには居なくなった。


そんな時.変わらず俺の家に来て外に出れない
俺達の為に食料や飲み物を運んでずっと励まして
くれたのが颯太と恭一だった。


お袋には颯太と恭一のおばさんが
付いていてくれた。


おじさんやおばさん達は
「何も悪い事はしてないんだから」
そう言ってお袋を外に連れ出してくれた。


徐々に中傷や嫌がらせも無くなり
少しづつお袋も元気になっていった。