ザワザワとした駅の構内。
愛菜と約束した日曜日、俺は池袋駅に居た。

手元の時計を確認すると、10時5分前だった。




「薫くーん!ごめんね、待たせちゃって…」


「ん?今来たところだよ。」

本当は30くらいには来てたけど。
なんて言ったらドン引きだろ。
そのくらい俺は愛菜と会いたいと思っていた。


「愛菜ちゃん、どこか行きたいとこ、ある?」

首を振る愛菜。


「じゃ、俺が決めた所でいい?」

「うん!」