何か、大事な事を忘れている気がしてならない。


でも何だろう?


俺は日の当たる中庭で、歩きながらメールを打ち始めた。


『週末、会える?』




考えたあげく、出来上がった文面はいたってシンプルだった。

同じ大学なのに、学部も苗字も知らない。



会って一日目なのに一緒に寝た事実は俺を軽い男としての外壁を作り上げる。


「失敗…したかな。」


彼女と寝たことではなくて。
軽い、というレッテル。