「萌琉っ!萌琉!…会いたかった。会いたくて狂いそうだった!」

腕の力がどんどん強くなってきて苦しいけど、そんなことどうでもよくなっちゃうくらい…何にも考えられなかった。

されるがままにぎゅうぎゅうされて、どうしていいかわからない。

「萌琉…オレの名前呼んで。お願い…。」

切なくなる声だった。

胸が痛い。

『…綺羅…。』

「もう一回。」

『綺羅。』

「まだだ。」

『綺羅、綺羅。』

「萌琉…やっと呼んでくれた。」

綺羅が泣いてる。

私の首筋に顔を埋めて、すすり泣く声がする。

そのまま、綺羅は眠ってしまった。

泣き笑いのまま、でも穏やかな寝顔だった。