久しぶりの家。

一緒に住んでた時から変わってないマンション。

中に入って、とりあえず荷物を置いてベランダへ。

10階だから、かなり見晴らしがいいんだよね。

ここから眺める景色は、昔から好き。

ぼーっと眺めてたら。

隣りのベランダが開く音がした。

お隣さんはLの字になってる作りだから、私のいる位置からベランダが丸見えなんだよね。

な…んで…??

「……萌琉…??あれ?夢?」

ボーゼンと立ち尽くす綺羅。

私は驚き過ぎて声もでない。

前よりも大人びた綺羅。

茶髪だった髪の毛はサラサラの黒髪に。

少し痩せて、でも整った顔は相変わらずカッコよくて。

目の下にクマがあるから、眠れてないってのは本当なんだなとか、ぼーっと考える。

うぅ~!

心臓飛び出そうな位、ドキドキしだした…!

もう何年も会ってないのになんで?

と、ごちゃごちゃ考えてたら、綺羅が消えた。

そして、バタバタ走る音が聞こえて、次の瞬間にはもう懐かしい温もりに抱きしめられていた。