『はぁ~。やっぱり日本の温泉はいいなぁ。』

チャプチャプお湯をすくいながら、ゆったりと織ちゃんと温泉に入ってる。

気持ちいい。

「生きかえる~!」

織ちゃんも顔にじゃぶじゃぶかけながら、すごく嬉しそう。

来て良かった。

『それにしても。綺羅、女遊び…てゆうか、近くに女の子いないの?』

「萌琉がいなくなってすぐにね。一切近寄らせなくなったよ。少しでも近づくと、カムフラージュはもう必要ない!って罵倒して、女の子は恐くて近寄れなくなったみたい。唯さんも機嫌悪くて、いつもムスッとしててケンカばっかしてたし、日向さんと禅さんもなかなか笑顔なかったなぁ。卒業してからは大学でも有名らしいけど、一切女の子は近寄らせないって。サークルにも入らず、四人でバイトばっかしてるって。きっとロンドン行きの旅費なんじゃないの?」

『そう…。』

「何?唯さんや立浪先輩を許す気になった?」

何故か織ちゃんは綺羅だけ名字呼びなんだよね。

『許すとか許さないとかの問題じゃないわ。私がただ、これ以上傍に居たくなかっただけだもん。もう終わったことよ。これから先も…まぁ、唯はキョウダイだからしょうがないけど、綺羅とは会わないわ。繰り返したくないもん。』

「そっか。じゃあ、そんな顔しないで楽しもう?」

ニッコリ笑ってそう言ってくれた織ちゃんに。

私も笑顔を返して、元気よく返事をした。

うん、今を楽しもう。