映画館からすぐの駅ビルの前までの道中(とは言っても、ほんの数十メートルだけど)に思い切って尋ねたのに、さらりと曖昧にされてしまう。


こういう時、1個の年の差を感じられて…なんか、嫌だなぁなんて思ってしまう…マジで器の狭い俺。



スッと俺から離れようとする彼女を追い掛けて、俺も後から入り口にあるフロアマップへと視線を流した。



「…あやめさん…?なんか、殺気を感じるんですけど…そんなに欲しい物、あるんですか?あ、今日何かのセールとか?」


「違うよ~。もう、佳人くん、少し黙ってて!」


「はい…」