「…なんで、そんなに笑ってるんです?」


「…なんでもないよ?」


「なんでも、なくないじゃないですか…肩、思い切り震えてますよ?」


「あはは…っ。違うの!違うよ?バカにしてるとか、じゃなくて。なんか、こういうのいいなぁと思って…」


「??」


「手を繋ぐって、なんかいいね。なんて言うんだろ。…うーん…佳人くんの体温が、私に流れ込んで来るって感じ?」


「?!……あやめさん?」


「んー?なぁに?」


「それ、凄い…口説き文句ですよ…?」


「え?!ちょ、…な、なんで、佳人くんがそんなに真っ赤になるの?!ここは私が恥ずかしがる所じゃないの?!」


「だって…あやめさんが凄い可愛くて…」


「あぁ!もう!にやにやしてないで、さっさと行くよ!」


「にやにやしてすみません。けど、そんなにぐいぐい引っ張ると映画館通り過ぎちゃいますよ?」


「!…ばか…」