もう、このまま…。


時が終わってしまえば良いのに。
雨で凍えて、消えてなくなれればいいのに。




『佳人は、優しいね…』




それは、けして甘い愛の言葉じゃなかった。

…なかった、んだ。




『佳人は、優しい…』




最後のときも、彼女は晴々とした表情でそう言った。



『優し過ぎるよ…佳人は。…だから、ごめんね?』