「ねぇ、先輩?この世の中で、『相思相愛』ってもの程、数が少ないって知ってますか?…自分の好きな人が、自分を好きになってくれる確率って物凄く低いんですって。俺、思わず頷いちゃったなぁ…」


急に沈黙を破ったのは彼の方。


静かに歌うようにして、呟かれた言葉はまるで、彼自身に言い聞かせているようで。


胸が、痛い。


そう…思った。