求めて、強請って、貪って…。

二人の間がないくらい、ぴたりと重なり合って。


溶けて行く。
泡になる。


初めて沸いてくる感覚に、頭も心もついていかない。

だから…。
怖い…。


そう、思った時。


「あやめ、愛してる…」


私を見下ろしている彼が、汗を滴らせながら、そう囁いてきた。


「よしと…」


名前を呼ぶだけでも、心がきゅうっと音を立てる。


あぁ、こんなに幸せでもいいんでしょうか?

こんなに幸せな事があってもいいんでしょうか?