「なんで、そんなに笑うのよー」

「いや、あやめさんて可愛いなーって」

「…意味分かんない」

「そんなに不貞腐れないで、ほら、もうすぐ高速乗りますよ?」


とくんとくんと高鳴る気持ち。
それは、俺にとって酷く甘くて、良い意味で切なかった。
人を恋しいと思うことの愛しさを、彼女から学んだからかもしれない。


相変わらず、二人の関係はのんびりしていた。
俺は、本当に心の底から彼女の嫌がることはしたくなかったし、強要なんてとんでもなかった。
それが彼女の瞳にどう映っているかが、少し不安ではあるけれど…。

自然とそういう流れになるまでは…と、思っていた。
勿論、男だから、色々諸事情はあるけれど…そんな事よりも、彼女の笑顔が一番。