「佳人くん、そっちのココア一口ちょうだい?」

「てか、運転中にお願いしないで、そこにあるんですから自分で取ってくださいよ?」

「や、一応お伺いをした方がいいかと思って…」

「そんなの、気にしないでいいのに。全部飲んでもいいですよ?」

「やだ」

「どうして?」

「そんなに飲んだら、眠くなるもん」

「…っぷっ…」

「むぅ。笑うな!」


ぽかん


叩かれた時丁度信号が赤になって、俺はハンドルに顔を埋めて笑いを堪えた。