あやめ…と囁かれる度に体温がどんどん上昇していく。 漸く、素直に想いを告げる事が出来て、ホッとしている自分。 だけど、この前甲斐くんに言われた言葉が胸に強く刺さったままだ。 『抱く勇気も覚悟もない奴』 ___そんなこと、ない。 私は心の中で何度もそう言い聞かせた。