初めて、触れた彼女の口唇。
柔らかくて、熱くて、今まで知らなかった、セクシャルな魅力で覆われていて、瞬く間に溺れてしまってた。
我も忘れて貪って、気付けば息も絶え絶えな彼女を、少し気障かとも思ったけれど、横抱きにしてベッドまで運ぶ。
軋むベッドの音に、酔いしれて何度も何度もキスの雨を降らす。
俺で、彼女が満杯になってしまえばいいと思いながら。
少しだけ乱れた髪を撫でると、彼女は嬉しそうに微笑む。
今は、それだけで十分だった。
勿論、経験がない訳じゃない。
彼女に恋をする前に、暫く付き合っていた子と、そういった行為を何度かしてきたけれど。
身を繋げても、心が満たされていなければ、気持ち良くはなれない。
そんなのは、ただの自慰行為でしかない。
そう、思うんだ。
そんな独りよがりの行為で彼女を傷つけたくなかった。