「んん…よしと、やめ…くすぐったい…」

「なんで、こんなに好き、なんだろう…もう、俺、あやめなしじゃ無理…かも」

「…そ、んなのっ私だって同じ…っ」

「…好きだ…」


その言葉は、私の息をまさに止めようとするかのように熱かった。
あちこちに散らばった思考を、一纏めにしようと息継ぎしようとするけれど、目の前に迫る吐息と今まで気付かなかった形の良い口唇に私は思考回路を繋ぎ直すどころか、
体を動かす事も出来ずに反射的に瞳を閉じてしまった。