ぱたん、と蓋を閉じて違う物を見ようとした彼女にそう尋ねると、彼女は然程気にしたようでもなく、「うん、いいの」と店の奥へと入り込んでしまった。 その場に残された俺は、置かれてしまったオルゴールに視線を落とす。 俺の中で、引っ掛かった、その小さな箱。 あまりにキレイで可憐で、まるで…彼女みたいだなって、そう思った。