その言葉が聞こえて私は
すぐギターを弾くのをやめた。

そして自信のない私は黙り込んだ。
路上ライブを始めてまだ数分、
1曲目だった。

”やっぱりやるんじゃなかった”

そう心の中で呟き、
ため息をつく。

それをみた綺麗な顔立ちの長身男が
また意地悪そうに口を開いた。

「お前、まずその見た目な。
どうみても暗いし、その見た目で
人は絡もうと思わない。んで二つ目は、
自信のなさが現れてる。そんなんじゃ
いくらいい歌を歌ってても誰もとまらねえよ」


小馬鹿にしたような言い方で
段々と冷淡に私に向かってそう放った。

確かに、彼のいう通りだった。
だから何もいい返せなかった。
でも心の中ではムカついた。
初対面の相手にここまで言われてたまるか
って思った。でも自信のなさが勝って
何もいい返せず、ただただ相手にわからないように
睨みつける事しかできなかった。

でも彼はそんな私の些細な行動を見抜いた。