事故に巻き込まれたのは、
2年6組の春川 彗星(はるかわ すいせい)君。



男子テニス部の副部長。



クラスでは、みんなを引っ張っていく、明るくてたのもしい子だった。



けっこう頭が良くて、学年で1、2位を争う。



彼女は、おそらくいない。



それが、ざっと彼のプロフィールだ。
だが、これは正真正銘の事故で、気の毒な不慮な事故だ。



彼は、頭の打ち所が悪くてしばらく眠っているが、もうじき目が覚めるに違いない。



そう簡単に考えていられたのは、ほんの数日間だけだった。