ちょっと待って。そんな記述はなかった。


「うん、そうだよ。だって、僕は彗星の兄と、同級生だからね。彗星のうちには、よく行かせてもらってたよ。」


「そう…だったん…ですか…。」


「流星群を一緒に見た女の子。すっごく面白い奴に出会った、ってそりゃ嬉しそうに話してたよ。舞羽ちゃんのこと、大好きなんだね。」


さらっと「大好き」と言う言葉を発すので、思わず赤面した。


彗星君と知り合い…。

おまけに仲もいい…。

じゃあどうして、彼を轢いたりなんか…。

それとも、やっぱり故意じゃないの…?


「舞羽ちゃん?そんな難しい顔して、どうしたの?」


「あっ、いえ。何でもないです。えっと、その…聞きたいことが、たくさんあるんですけど…。」


そう言うと、彼は途端に顔を曇らせた。


「どう…したんですか?」



「実は…事故当時のことが、全く思い出せないんだ…。」








…えっ?