感情のない淡々とした声音で、アナウンサーは原稿を読む。



「先週の夜未明に起こった、高校生男子の事故で、速報が入りました。昨夜、事故を起こした大学生(19)の、意識が戻ったそうです。」



はっとする。



彗星君を轢いた大学生。
決して故意ではないと言われていたが、彼が眠っている間に、随分と悪者に仕立て上げられてしまった。



彼が目を覚ますまで、真実は謎めくと言っていたから、彼本人に聞けば、きっと真実が見えてくるだろう。



私は画面を見つめて、ほっと安堵の息を吐いた。