「松井さん、今日英里華さんに反論するらしいよ!」

英里華さんに?

「え、本当?松井さんって、松井 菜穂のことだよね?」

「当たり前じゃーん!他にも色々聞いたよ!なんかねー…」

松井 菜穂(まつい なほ)。「奴隷」の女の子だ。地味で暗くて、いつもうつむいている三つ編みメガネの女の子。あの松井さんが、英里華さんに…反論…!?

英里華さん、というのは桜小路 英里華(さくらこうじ えりか)といって、「王様」の女の子。桜小路家は、由緒正しいお家柄で、英里華さんはお嬢様。桜小路グループというホテル経営会社をお爺様が経営されていて、とってもお金持ち。でも最近経営が上手くいってないって噂を聞いたけど…ほんとかなぁ。

「でさ、今日絶対なにが起こるよ!満奈っ、聞いてる?」

「聞いてる、聞いてる。那月、なにか、って?」

「英里華さん、松井さんを2度と歯向かわせないようにガツーン!とやっちゃうんじゃない?」

「…かもしれないね。さいきん松井さん反抗的だもんね。」

さぁ、今日はどんな一日なんだろう?