まるで人形のように、無感情で無表情。

自分を客観視なんてできないけれど、きっとそんな気がする。


感情を入れて口にしたら悲しくなる。


誰にも心から必要とされていないとまた自覚するのは、辛く苦しくなるだけだから、できることなら避けたい。


「…マジで言ってんのか?」

「この状況で嘘つくほど馬鹿には見えねぇけどな」

「こいつの言うことが本当なら、とんだ無駄足だ」

「深瀬にダメージ食らわせなきゃ意味ねぇからな」


わたしを覗き込む馬鹿三人。

こういうことをしてるから、深瀬くんに勝てないんじゃないの?わたしにはよくわかんないけど。


「菊池の野郎、落とし前つけねぇとな」

「しっかりシメてやっか」

「…の前に」


無表情を貫き通していると、両脇の二人がわたしから手を離した。


─と思ったら。


「人違いで悪かったな」

「このこと、誰にも言うなよ」

「俺らに殴られただの蹴られただのな」

「特にサツとか、先公とかな」

「なっ、なにする…」


一人がわたしを羽交い締めにし、もう一人が吸っていた煙草をわたしの顔に近づけた。