いきなりカタコトになってるよ。一体どうしたの?


「オ、俺ニ、ナ、何ヲ」

「何って、ほっぺにちゅーしただけですが」

「──!!」

「…え?」


まさかとは思いますが、これって怒ってるって言うよりも極度に照れてる?!?!?!


「お、おま、こんなことして、ただですむと」

「ダーリン、もしかして初めて?」

「──!!」


わ、更に赤くなった!ダーリンも初めてなんだ!ていうか大丈夫かこれ!


…しかし可愛い。


「ね、ねぇダーリン、試しにもう一回してもいい?」

「──!!!ふざけんなばーか!!二度とすんな!!失せろ!!」

「ちょっ、ダーリン?!」


突然立ち上がり大声で叫んだ深瀬くんは、顔を真っ赤にしたまま屋上から走り去って行きました。


「…じゅ、純情…」




─逢川咲良16歳。


人は見かけによらないと、心の底から思いました。