すると深瀬くんは手紙をぽいっと投げ返してきた。


む、これに反応するってことは、相当隠しておきたいんだね。

ていうか見もせずに返すなんてひど!


と落ち込む暇もなく森野が振り向く。


「逢川、そういやさっき…」

「先生ー!森野くんがうるさくて授業に集中できませーん!」

「うわっ、てめっ」

「森野ー。課題追加ー」

「ちょ!先生っ!」

「あと俺の机の整理よろしくー」

「うわ!先生っ!」

「「はははは!」」

「森野何やってんだよ!」

「マジかよ…」


けっ、ざまーみろ!

さっきからわたしの恋路を邪魔する罰よ!ふんだ!




──────




「ダーリン!」


待ちに待った放課後、学校を出てすぐに深瀬くんに駆け寄る。


生徒数人に驚いた顔で見られたけど、もう別に気にならない。

それだけ深瀬くんに声をかける人がいないんだから、仕方ないもんね。