…なんて意気込んだはずなのに、現実は厳しく…。


授業中でも休み時間でも、なぜか無駄に森野が後ろを向き、わたしに執拗に話し掛けてくる。


これじゃ深瀬くんと話せないじゃないのよ!森野め!邪魔すんじゃないよ!


くそう。何かいい方法は…。


─あ! 


わたしはノートの切れ端に、『ダーリン、いつもどこでサボってるの?咲良』と書いて可愛らしくハート型に折り、深瀬くんの机の上に置いた。


頬杖をついて授業を受けていた深瀬くん。

気づいたらしく、手紙に一瞬目を向けるも、


無視。


「深瀬くんっ、深瀬くんにだよ!」


と言っても、


無視。


「…みんなの前でダーリンって呼ぼうかな」


無視。


「…みんなの前でダーリン大好きって叫ぼうかな」


無視。


…こうなったら。


「バイクで来てること、先生に言おうかな」

「…」