「咲良?!何この音…」

「お母さ…」

「ちょっ、何してるの?!あなた一体…」

「お母さん!いいの!」

「何を言ってるの!いいわけないでしょう!」

「咲良、何して…」

「─っ!お父さ…」

「なんだこのガキ。まさか咲良の男か?つーか何してんだよ!やめろこの野郎!」

「──っ!うるせぇ!!」


すでに原型がない椅子を振り上げた時、腕を掴まれ止められそうになった。

振り払おうと椅子を投げ飛ばし、俺は逢川の親父の胸ぐらを掴んだ。


「深瀬くん!やめて…っ!」

「てめぇこそ何してんだよ!父親のくせになんで家族苦しめてんだよ!」

「ああ?!何言ってやがんだこいつは!お前に関係ねぇだろうが!引っ込んでろクソガキが!離せこの野郎!おい、警察呼べ!学校にも連絡しろ!」

「あ、あなた、警察は…」


父親だろうが何だろうが、逢川を苦しめる奴は許さねぇ。

逢川を傷つける奴は俺が絶対に許さねぇ!!


「てめぇの家族をてめぇで不幸にして何やってんだよ!!」

「俺がいつ家族を不幸にしたんだよ!馬鹿なこと言ってんじゃねぇ!咲良!こいつお前のストーカーかなんかか?!」