「ちっ。なんだよ。咲良に会いてーなぁ」


…うるっせぇな金沢。

俺だって会い…ぶっ!!

なっ、何考えてんだ、俺!!


「深瀬、おめーは連絡とれてんのか?」

「れっ、連絡?!んなもんとらねぇよ赤頭!」

「あ?なにキレてんだよ」

「は?!キレてねぇ!」

「完全キレてんだろ。つーか顔赤くね?」

「は?!赤くねえ!赤ぇのはてめぇの頭だろうが!」


いちいちうぜぇな!ちくしょう!


「おい、入るぞ」

「あ゛?!なんだ森谷か」

「なんだじゃねーよ失礼だな!むしろ森谷じゃねぇし!」


森野が来んのも少し久しぶりだな。

…逢川は一緒じゃねぇか。


「おっ、森谷だ森谷!」

「森谷、おめーは咲良のこと知ってんのか?」

「おいこら!俺は森野だ!深瀬のせいで俺、森谷になっちまってんじゃねぇか!」

「気にすんな」

「おい!」

「そんで森谷!咲良知らねぇ?」

「ったく…。逢川?体調不良でずっと休んでるよ。担任以外誰も連絡とれねーみてぇだから、マジで体調悪いんだろうな。学校でも皆心配してるよ」


…体調不良…。


「やっぱそうなのか」

「咲良大丈夫なのか?!やべぇ、心配だ!」

「てめーが心配したって迷惑なだけだ」

「あ゛?!なんだと樹!」

「まぁでも本気で心配な点はあるんだよな」

「─え?」


突然森野が真面目な顔をしやがるから、騒いでいた奴らも大人しくなった。

森野に視線が集中する。