「最近、逢川と会わねーんだよな」

「最近っつーか退院してからな」

「咲良に会いにおめーらのガッコに行っても、どんだけ待っても会わねーんだよ」

「連絡もとれねーし、おめー何か知ってっか?」


ドカドカと病室に入り我が物顔でソファに座るガラの悪い奴ら。

馬鹿三人が退院した癖に何しに来やがったのかと思えば、原因は逢川かよ。


「知らねぇよ」

「はあ?」

「嘘ついてんじゃねーよ!なんか知ってんだろ?!」

「うるせぇな!知らねぇもんは知らねぇ!」


知るわけねぇだろ。

俺でさえ気になってんだ。


──あの日から数日、逢川は一度も姿を現さない。

来ることが当たり前のように感じていたから、一日来ないだけでも気がかりだった。

次の日には来るだろうと思い込んでいたのに一向に来る気配がない。


もう来ないつもりなのかと思っていた矢先の馬鹿三人組の話。

まさか学校にも行ってねぇのか?


「ここには来てんのか?」

「来てねぇ」

「やっぱ具合いでも悪いんじゃね?」

「…深瀬、てめー逢川に何かしたんだろ」

「あ?なんもしてねぇよ、くそ緑」

「あんだけ来てたのにいきなり来なくなったなんて、てめーがなんかしたとしか思えねぇ」

「金沢の言うとおり腹でも壊したんだろ」


何かしたどころか、あいつはあの日、すっげぇ機嫌良く帰っていったんだ。

俺が原因で来ねぇってことはねぇだろ。

…多分。


にしても何日も体調不良もねぇよな。