「ね!仲直りしたんだよね?!」

「だから近ぇんだよ!」

「あ、ごめん。それで仲直りは?!」


仲直り仲直りって、しつけぇな!


「なっ、仲直りなんてガキみてぇなこと言うな!」

「んもうガキガキどうでもいいからっ!ねっ!ちゃんと話し合えたんでしょ?!」

「…まぁな」

「それでそれで?!」

「それでって…。別になんもねぇよ」


なんだってお前がんな嬉しそうにすんだよ。あほだな。


「なんもってことないでしょ!あっ!お母さんの所に戻るの?!」

「は?なんでいきなりそうなんだよ」

「え?だって一人暮らしの必要、なくなったんじゃないの?」

「まぁ戻って来いとは言われたけどな。戻る気なんてねぇよ」

「どうして……まぁ、そんな簡単なものじゃないよね」

「わかってんなら言うんじゃねぇよ」

「でもでも、お母さんとのわだかまりは解消されたんだよね?!」

「…完璧じゃ全然ねぇけどな」

「わーい!良かったー!」


大げさなほど逢川は全身で喜んでいる。

他人事だってのに自分のことのようだな。


「なんでお前が喜ぶんだよ」

「だって嬉しいもん!深瀬くんの幸せはわたしの幸せだよ!」

「なっ、何言ってやがる!大体、俺は幸せなんかじゃねぇよ!」

「嘘つかないで!少なくとも前よりは幸せでしょ?前より心は晴れてるでしょ?」

「……よくわかんねぇけどお前に感謝したいって思うってことは、良かったんだろうな。あいつと話せて」