「センターからこれまた随分いい席になったね!」


後ろの席だったはずの茉希が目の前に…。

あれ?もう休み時間?


「え?いい席って…」

「ちょっと、何にも聞いてなかったの?」

「え?え?」

「てか、もうみんな移動始めてるよ」


移動?なんの?まさか、席替え?!


「え?!いつ決まったの?!」

「今咲良の目の前で、先生が適当にくじ引いて決めてたじゃん!黒板見なよ!けど咲良の席、場所はいいのに周りがすごいことになってるね」


茉希に言われ、ばっ!と黒板に目を向けると、担任の乱雑な字で座席表が出来上がっていた。


うわ、いつのまに?!


ていうかくじで決めるなら生徒自らさせろよ!どんだけやっつけ仕事なの!!


と、担任に苛立ったのも束の間、逢川の字を見つけた瞬間、顔がほころんだ。



「やっ…!やった…!」


感極まり涙ぐみそうになる。


わたしの席は、窓際の列の一番後ろ。日差しを存分に浴びることのできる席。