「──」


…あいつが?


「何が何でも圭悟の味方なんだろうね。勇ましかったなぁ。物怖じしないではっきり言ってもらえた分、わたしも素直になれたよ。実際咲良ちゃんが今日この機会を作ってくれたのは、わたしの為じゃなく圭悟のことを考えてだからね」

「…は?」


俺のことを考えて?

てめぇが逢川に頼み込んだとか、逢川が変な気を遣わせたとかじゃねぇのかよ。


「ここまで想われて圭悟は幸せ者だね!素敵な彼女でやっぱり妬けちゃう!」

「あ゛あ゛?!」

「咲良ちゃんにはいっぱいお世話になったなぁ。みんな咲良ちゃんのお陰だし、ちゃんとお礼しないとね。今度家に連れてきてね!」

「だっ、だからあいつは…」

「お父さんにお線香、上げてほしいしね」

「──」


親父に…。