なにこの雰囲気。

なにこの空気。

お父さんの表情。

今まで見たことのないような、殺気と怒りで満ちあふれている。

冷酷で非情で残虐な目にゾッとする。


こんなお父さん、わたし、知らない…


「イキがってんじゃねぇぞクソガキがぁ!!」

「──!!」

「キャーッ!!やめてーッ!!咲良ーッ!!」





───────


─────


──……




もう、最近大人しいと思ったらこれだよ。


ああ、そうか。

その分溜まってたってことか。

だから反動がひどいんだね。


…ここまでひどくやられたのは初めてだなぁ。


言葉にならないほどの痛みに、神経が全てなくなればいいと思った。


お母さんの叫び声を聞きながら何度も強い痛みを感じているうちに、意識は遠のいていった。