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「深瀬くん!」

「あ?」


病室に戻ると深瀬くんと森野で談笑でもしていたようで、和やかな雰囲気に包まれていた。


「逢川、お前どこ行ってたんだよ!」

「あ、ちょいとね。それより深瀬くん!」

「なんだよ、うるっせーな」


ベッドの横の椅子に座っていた森野と深瀬くんの間に割って入る。


ご機嫌そうに見える深瀬くん。

この表情が一変してしまうかもしれない。


──それでも。


ここが頑張り時よ咲良!

ふぁいつ!!


「…わたし、深瀬くんのお母さんと会ったよ」

「──」


ああ、やっぱり。


一瞬にして空気が変わった。

深瀬くんの表情が止まった。


想像と同様の展開に足がすくみそうになる。

でも何を言われても、負けるわけにはいかない。


深瀬くんとお母さんを会わせるまでは。


「深瀬くんのお母さん、すごく会いたがってたよ。深瀬くんは顔も見たくないのかもしれないけど、お母さん、本当に反省してて、謝りたいって…」

「なんでてめぇがあいつと話してんだよ」

「──っ」