「深瀬くんには今日も会ってないんですか?」
「ん?そうだね、会ってないよ。というよりわたしは会えないもの」
「どうしてですか?」
わたしの問いかけに深瀬くんのお母さんの表情が止まり、笑顔に陰ができる。
「…圭悟にね、わたしひどいことしてるから。謝りたいんだけどね、謝る資格もわたしにはないというか」
「謝ればいいじゃないですか」
「え…」
「資格どうのじゃなくて、悪いと思っているなら謝ればいいんじゃないんですか?」
わたしの強い口調に、深瀬くんのお母さんは少し驚いた顔をした。
お母さんには悪いけどわたしは深瀬くんの味方というか、深瀬くん寄りの考えになるから、お母さんに強気になってしまう。
だっていくら旦那さんが亡くなったからと言ったって、深瀬くんを傷つけていいわけがない。
精神を病んでいたとしても深瀬くんが傷つけられたことに変わりはない。
わたしは親になったことがないから、深瀬くんのお母さんの気持ちを全て汲み取ることはできない。
だからこそ深瀬くんを優先してしまう。
「そうしたいんだけどね。謝っても許してくるはずがないし、何より圭悟はわたしに会うのも嫌だろうから」
「そこは深瀬くんに気を遣うところじゃないと思います。謝らなきゃ何も進まない。このまま一生会えずに終わってしまいますよ」
「…うん…。それはそうだね。でもこれ以上圭悟に嫌われるのは、親として辛いものが」
「深瀬くんはもっと辛い思いをしているんです」
「──っ」
さっきよりも更に目を見開き、わたしを見つめるお母さん。
「ごめんなさい。わたし、大体のことは聞きました。もちろん深瀬くんからではないです」
「─咲良ちゃん…」
「ん?そうだね、会ってないよ。というよりわたしは会えないもの」
「どうしてですか?」
わたしの問いかけに深瀬くんのお母さんの表情が止まり、笑顔に陰ができる。
「…圭悟にね、わたしひどいことしてるから。謝りたいんだけどね、謝る資格もわたしにはないというか」
「謝ればいいじゃないですか」
「え…」
「資格どうのじゃなくて、悪いと思っているなら謝ればいいんじゃないんですか?」
わたしの強い口調に、深瀬くんのお母さんは少し驚いた顔をした。
お母さんには悪いけどわたしは深瀬くんの味方というか、深瀬くん寄りの考えになるから、お母さんに強気になってしまう。
だっていくら旦那さんが亡くなったからと言ったって、深瀬くんを傷つけていいわけがない。
精神を病んでいたとしても深瀬くんが傷つけられたことに変わりはない。
わたしは親になったことがないから、深瀬くんのお母さんの気持ちを全て汲み取ることはできない。
だからこそ深瀬くんを優先してしまう。
「そうしたいんだけどね。謝っても許してくるはずがないし、何より圭悟はわたしに会うのも嫌だろうから」
「そこは深瀬くんに気を遣うところじゃないと思います。謝らなきゃ何も進まない。このまま一生会えずに終わってしまいますよ」
「…うん…。それはそうだね。でもこれ以上圭悟に嫌われるのは、親として辛いものが」
「深瀬くんはもっと辛い思いをしているんです」
「──っ」
さっきよりも更に目を見開き、わたしを見つめるお母さん。
「ごめんなさい。わたし、大体のことは聞きました。もちろん深瀬くんからではないです」
「─咲良ちゃん…」