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何かいい方法はないかと常に考えてはいるのに、いくら考えても何も浮かばない自分が恨めしい。

どんなに勉強ができたってこんな時に頭が回らないようじゃだめじゃないの。

しかし勉強とは全くの別問題だしなぁ。


う゛～ん゛…。


「逢川、今日俺も深瀬のとこに行くよ」

「え？」


ずっとずっと悩んでいたら、もう放課後になっていたらしい。帰る支度を整えた森野が、いつものように明るい笑顔でわたしに声をかける。


「ずっと行きたかったんだけど用事あったからさ。今日も行くんだろ？」

「ん゛。…」

「行かねーのか？」

「う゛う゛～」


昨日行かなかったから今日は行きたいけど、この複雑な心境の中で、いくら造り物の笑顔が得意な咲良ちゃんでも、深瀬くんを前に普通でいられるか…。


「今日の逢川、なんか変だな。いいわ、お前が行かねーなら俺一人で行くよ。部屋番号教えろ」


──！


「行く！」

「は？」

「行くっ！」

「なんだよ行くのかよ！」


少しでも力になりたいと言っておきながらお見舞いに行かないのはおかしいでしょわたし！それこそ別問題よ！

ていうか深瀬くんに会いたい！ただでさえ深瀬くんがいないこの席は寂しさ満点なんだから！森野一人でなんて行かせるか！