困った顔の庄司さん。

申し訳ないけどわたしがごねても仕方ないし、深瀬くんのプライドがあるらしいし、却って迷惑になってもいけないな。


「わかりました。本当にありがとうございます」

「とんでもないことでございます」

「あの、明日は深瀬くんに会えますか?」

「面会謝絶がいつまで続くかはわかりかねますが、お待ちしております。私、お迎えに上がりましょうか?」

「結構です!一人でも来られますから!」


お迎えだなんて!恐縮でございますわ!


「さようでございますか。では本日はお送りいたします。看護師に声をかけ」

「わたしは大丈夫です。もう北栄の人に襲われることもないだろうし、庄司さんは深瀬くんのそばにいてあげて下さい」


深瀬くんの為にわたしに絡んできたわけだから、さすがにこれからはないでしょう。


「ありがとうございます。それでは他に送迎の用意を」

「大丈夫ですから!」


ご立派な高級車から降りるところを親に見られたらどうなることか!

前回は見られずにすんで良かったけど、普通に考えたら結構よろしくないよね!

庄司さんて心配性?それとも何か別に理由があってわたしに気をかけるとか?