「ええ。深瀬家は以前より松平組と親交がありました。深瀬家が資産家ということもあり、護衛や様々な裏の仕事は全て松平組に任せております」

「そうなんですかー。」


なんて平静を装っておりますが、深瀬くんの家って資産家なの?!

あわわわ!すごすぎ!世界が違いすぎて資産家とか言われてもしっくりこないし!サラッと言われたけどびっくりだよ!

ひゃーっ!頭パニックになりそう!!

ててていうか裏の仕事ってなんなのか気になるわ!


「圭悟様がご記憶にあるかは存じませんが、幼い頃は二人で仲良く遊んでいた時期もございました」

「あっ!そうだったんですか!」


へ~!意外も意外!想像つかないわ!


「しかし成長していくに連れ圭悟様の素行が悪い方向へいき、命の危険にまで及ぶかもしれないということで、潜入捜査の意味で晋様が澤田氏の側近となったのです。現状では澤田氏が一番の要注意人物でしたから。その為本日の流れも事前に把握しておりましたので、晋様の連絡待ちで私達は待機をしていました」

「なるほど…」


だからわたしのことも『想定内』だったわけね。やっと理解できましたわ。

やっぱり大人ってさすがだね。いい意味でも悪い意味でも勝てないわ。


「もうそろそろ点滴が終わるかと思いますので、ご自宅までお送りいたします」

「あ、あの、検査代とか点滴代とか」

「お気になさらずに。私が勝手にしたことですので」

「そんなわけには」

「これ以上圭悟様のプライドを傷つけるわけにはいきません。どうかお気持ちだけに止めておいてください」