「は?」

「昨日だってカツアゲされそうだった人を助けたし、今日はわたしを助けてくれたもの」


…あれ?


わたし、悪いこと言ってないよね?

どちらかと言うとわたしは助けられたと言うよりも、深瀬くんといたからとばっちりを受けたようなもんだけど。


深瀬くん、なんだかいきなり不機嫌になっているような…。


「何言ってやがる。別に助けたわけじゃねぇ。勘違いすんな」


え、怒ってる?な、なんで?

あ、これは彼なりに照れてるとか?


「勘違いじゃないよ。実際そうだったでしょ?照れなくてもいいじゃん。助けてくれてありがと…」

「救いようのねぇ馬鹿だな」

「…え、どうして?」

「俺は助けたくてやったんじゃねぇ。ただ殴りたかったんだよ。助ける為じゃなくケンカがしたかっただけだ」


…この台詞はあれか。

本当はいい人なんだけど、そうじゃねぇアピールか。

どこかの本かなんかで見たことあるぞ。


「それでも結果的にわたしも昨日の二人も深瀬くんに助けられたよ。優しいと思」

「俺はお前みたいな平和ボケしたやつ、すっげぇ嫌いだ。すっげぇムカつく」